統計学の世界では「p値」という指標が頻繁に登場します。
一般には「偶然に起こる確率」と説明されることが多いのですが、この「偶然」という言葉は直感的でありながら誤解を生みやすいものです。
偶然とは「ばらつき」
統計的に言う「偶然」とは、母集団に差が存在しないと仮定したうえで、標本を取り出したときに生じるランダムなばらつきのことです。つまり、サイコロを振れば1が続けて出ることがあるように、たとえ偏りがない世界でも、現実には“偏って見える結果”が生じる。それを偶然と呼んでいるのです。
p値が示すのは「珍しさ」
p値とは、このばらつきの結果がどれほど珍しいかを数値化したものです。
例えば、10回コインを投げて9回が表だった場合、確かに偏って見えます。しかし本当に偏りのないコインでも、このような結果が出る確率は約1%。これがp値です。
つまりp値が小さいほど「差がないはずなのに、こんな結果が出るなんて珍しい」と言えるわけです。
ビジネスへの応用
この考え方は、統計の世界にとどまりません。
ビジネスにおいても、売上の急増や顧客の行動変化を「偶然」と片づけるか、「珍しいシグナル」と捉えるかで、意思決定の質は大きく変わります。
たとえばキャンペーンの効果測定。顧客がたまたま集まったのか、それとも明確な戦略の勝利なのか。p値のように「珍しさ」を評価する視点を持つことで、次の一手に対する自信の度合いが変わります。
まとめ
「偶然=珍しさ」と捉えることで、p値の意味はぐっと身近になります。
そして重要なのは、この「珍しさ」を正しく読み取り、ビジネスの意思決定に活かすことです。数字の裏に潜む“偶然”を見極められるかどうかが、戦略の精度を大きく左右すると言えるでしょう。
