先日、企業が主催するキャリアセミナーに参加しました。
自社プロダクトの紹介を兼ねた企画で、参加者の強みや弱みを分析し、転職可能性や適性のある職種をリコメンドする仕組みが組み込まれていました。
一見すると、自己理解を深める合理的なプログラムに見えましたが、受講中ずっと、「キャリア」とはなんだろう?という問いが頭から離れませんでした。
そのモヤモヤの正体は、「キャリア」という言葉の定義があまりにも曖昧であることです。
Q&Aの際に「キャリアをどのように定義しているか?」を質問してみました。登壇した複数の講師が、定義は難しいが個人的には「キャリアとは生き方です」と語っていました。
確かにキャリアとは生き方の選択です。であれば、強みや弱みの分析だけでは生き方の本質にたどり着けません。そこからわかるのは、せいぜい「今の自分がどんな環境に適しているか」という現状の傾向にすぎません。
生き方とは、本来もっと根源的で、価値観や意志、そして“なぜ生きるのか”という問いに関わるものだと思います。
自己分析は、現在の自分を整理するには役立ちますが、未来の方向性を決める力はありません。どれほど精緻に分析しても、「どう生きたいのか」「何を大切にしたいのか」といった問いに答えることはできないのです。
それは、いくら詳細な地図を持っていても、目的地が定まらない限り前に進めないのと同じです。
もしキャリアを「生き方」と捉えるなら、必要なのは自己分析よりも自己決定です。
“何をしているときに最も生きていると感じるか”という感覚を丁寧に見つめ直すことが、真のキャリア=生き方につながるのではないでしょうか。
何に心を動かされるのかに目を向けることが大切だと思います。もし理想通りに生き方を選択できなとしても、最適解を見出すこです。
キャリアセミナーの多くは、生き方を導くガイドのように見えますが、実際には「企業が求める航路に乗るかどうか」のマッチングを問う場です。
本当のキャリアとは、誰かの用意した航路を選ぶことではなく、自らの意思で航路を描くことではないでしょうか。
