時代は多様性を当たり前に受け入れるようになりました。
性別、年齢、国籍、働き方、価値観…。
多様な人が同じ場に集まり、それぞれのスタイルで働く。
この考え方自体は、まさに時代の要請です。
しかし、一方でこうした多様性が、
「他人は他人、自分は自分」
という意識を生み、逆に無関心と分断を加速させている現実も見逃せません。
多様性が叫ばれる割には、
「組織の一体感が薄れた」
「メンバー同士の相互理解が足りない」
「相手の事情を考えない自己中心的な行動が増えた」
と感じる場面が増えていないでしょうか。
この現象は、実は多様性が持つパラドックスなのです。
多様性(Diversity)は、違いを認め合うことで新たな価値を生む力になる反面、
ただ「違っていて良い」というだけでは、相互の関心や協力意識は生まれず、
むしろ孤立や利己主義に向かうリスクがあります。
だからこそ、インクルージョン(Inclusion)が不可欠なのです。
インクルージョンは、
「違いを受け入れる」
「違いを活かし合う」
「違いの中に共通点や接点を見出し、つなぐ」
という、もう一歩踏み込んだ行動や関係性を意味します。
多様性が「受け入れること(Accept)」だとすれば、
インクルージョンは「関わること(Engage)」です。
企業がダイバーシティだけでなく、インクルージョンまで推進する理由はここにあります。
• 多様性だけでは、組織内の理解や協力は自動的には生まれない
• インクルージョンによって初めて、多様なメンバーが互いを活かし合い、組織の力になる
つまり、ダイバーシティ+インクルージョンでこそ、
「多様なだけでバラバラな組織」から「多様だからこそ強い組織」へと進化できるのです。
これは単なるスローガンではなく、
縮小市場・不確実な時代を生き抜く企業にとっての生存戦略と言えるでしょう。
