市場でも政治でも、支配構造にはパターンがあります。政党別の議席数を分析したところ、いわゆる「ベキ分布型」、つまりごく少数が大多数を占める“勝者総取り”の構造であることが分かりました。この一強型構造の中で、圧倒的な存在感を示すのが自民・公明の与党連立体制です。

興味深いのは、与党ですら数の力を維持するために連携しているにもかかわらず、野党は分断されたまま戦っているということです。これでは、いかに個々の政党が得票率や議席数を増やしても、結果的に与党を上回ることは極めて困難であり、減税を叫んでも、政権を取らなければ実現は難しいと言えます。
参政党の神谷代表が「野党同士で争っている場合ではない、自民党を倒す」と言っているのを観ましたが、争わないのは間違いとは言えませんが、目的達成のためには「協力する」か自政党の射程距離圏内の他野党の票を奪い、自政党の議席占有率を高め、自民・公明に迫る必要があります。
マーケットのシェア争いに置き換えれば、トップシェア企業に対し、2位以下の企業が足並み揃えずに小競り合いを続けているようなものです。結果としてシェア(票)の分散が進み、トップ企業がますます安定的に市場を支配します。政治の世界においても戦略的連携なくして逆転は起こりません。
“理念の違い”や“独自性の主張”も大切ですが、それは数の論理を乗り越えたあとに初めて意味を持ちます。与党を倒したいと言いながら連携を拒む野党の姿勢は、結果的に与党の地位を補強する構造そのものです。選挙など茶番だと揶揄する人がいるのもそのせいかもしれません。
これは政治だけの話ではありません。ビジネスでも、業界再編が進む中で同じような光景が見られます。「勝てない」と嘆く企業ほど、競合他社と差別化ばかりを気にして連携を拒み、孤立化していく。連携の可能性を捨てた瞬間、競争の土俵から外れていくのです。
