営業部門への社内研修を通じて感じるのは、多くの企業が個人のスキル向上にフォーカスする一方で、組織としての戦略が不在であることです。
マーケティング活動を積極的に行っている企業は多いですが、その目的である戦略がないために、単なる施策の羅列や、現場への掛け声に終始しています。結局、何を目指しているのかが曖昧なままでは、営業活動が場当たり的になり、結果として効率の悪い活動になってしまいます。
特に、縮小市場や競争の激しい分野では、「個々の努力」よりも「戦略的なターゲティングとリソース配分」が勝敗を決する要素になるはずです。しかし、多くの企業はここを明確にせず、危機的状況に対して、場当たり的な「とにかく頑張れ」のマインドセットに依存しているように見えて仕方ありません。
本来ならば、
- 市場の、どのセグメント、ターゲット、ポジションを狙うのか?
- 競争優位性を獲得するために、どのようにリソース配分するのか?
- マーケティング活動は、その戦略をどう実現するのか?
といったフレームワークで考えるべきですが、営業現場では「活動量を確保しろ」「エンゲージメントを築け」といった話になりがちですね。
結局のところ、「戦略とはターゲティングリソース配分の意思決定である」という視点を持たない限り、営業組織の強化にはつながらないのではないでしょうか?