市場縮小、人口減少、経済停滞。こうした環境が常態化する中で、私たちが立っている市場は、もはや成長を前提とした「競争なき空間」ではありません。顧客は自然には増えず、競合は寡占化し、ゼロサム型の奪い合いが当たり前となりました。


この現実を前に、従来の3C分析(Customer, Competitor, Company)もリブートする必要がありそうです。


なぜ従来の3Cが機能しなくなったのでしょうか。
まず、Customer(市場)についてはどうでしょうか?
かつては、顧客ニーズに対応すれば市場は自然と広がると考えられていました。しかし今は、ニーズの多様化と消費選別の進行により、単純な「顧客理解」だけでは売上拡大に結びつかなくなりました。さらに、人口減少により市場そのものが縮小し、顧客の獲得は「誰かから奪う」ことが前提となってきています。


次に、Competitor(競合)についてはどうでしょう?
従来は競合を把握し、差別化を図れば優位に立てるとされてきました。しかし現在は、競合の数が減る一方で、生き残った企業同士の競争が激化し、差別化だけでは十分にシェアを確保できません。競合のシェア動向や、どの領域で競争が激しくなるかまで精緻に読み解く必要があるのです。


そして、Company(自社)についてです。
これまでは、自社の強みやリソースを活かして成長戦略を描くことが基本でした。しかし現代では、自社努力だけでは拡大できる余地が小さくなり、どの市場区画で、どの競争構造を前提に戦うかを明確に定めなければ、資源が分散し、結果的に競争に飲み込まれてしまうリスクが高まっています。そのためオープンイノベーションやコンソーシアム型のビジネスモデルが見られるようになってきました。
このように、3Cをそれぞれ個別に眺めるだけでは、競争優位を築くことが難しい時代になりました。


これからの3Cリブートでは、
• Customerは単なる市場規模ではなく、「競合間のシェア分布」や「スイッチング要因」で捉えます。
• Competitorは競争市場であることを前提として、「競争地位」や「競争優位性」まで踏み込んで分析します。
• Companyは自社強みを「どこに集中配分すれば自社だけの強みとすることができるか」という観点で捉え直します。


つまり、市場・競合・自社を静的に整理するのではなく、動的な力学として読み解き、どこからシェアを奪い、どこを守るかを設計することが、これからの3Cの本質です。


市場が自然に拡大する時代は終わりました。これからは、「誰かの顧客を、いかに自社に引き寄せるか」が勝負になります。


競争構造力学を読み解き、適切にリソースを集中できる企業だけが、縮小市場においても確実に勝ち続けることができるのです。