デジタルマーケティングではよく、4つのRight、すなわち「適切な相手に」、「適切なタイミングで」、「適切なコンテンツを」、「適切なチャンネル」で提供することが重要だと言われています。

ではどうやって適切であるかを判断しているのでしょうか?

「適切な相手」とは送付したコンテンツを見てくれたヒト、「適切なタイミング」はそれを開封した時間、「適切なコンテンツ」はリピートした内容、「適切なチャネル」は最もアクセス率が高い媒体です。

皆さんは、この4つのRが、こちらから見て欲しいヒトに、見て欲しいタイミングで、見て欲しいコンテンツを、こちらの都合の良いチャンネルで提供することが非常に難しいことにお気づきになったと思います。

選択権は完全に顧客側にあります。

一般消費財で用いられる分散市場型で不特定多数が対象となるマスマーケティングであれば反応する顧客を見つけ出すことは非常に重要であり、4Rは有効な手法でしょう。

しかし、医薬品ビジネスのように対象顧客が極めて明確で、優先順位が決まっている場合では効率が良い方法には見えません。

医薬品ビジネスは B2Bの要素とB2Cの要素を合わせ持っています。

デジタルマーケティングのD2CはB2C的な状況下では有効かもしれませんが限定的です。

反応が芳しくない顧客の心の扉を開かなければビジネスとして成立しないからです。

多くの場合でMRは処方してくれない顧客に処方させることが仕事になっているはずです。

適正使用のための適正な情報提供が原則であり、販売促進が主目的ではないとは言え、製薬会社および卸まで利益率が大幅に減少している状況下では悠長に構えてもいられません。

急速に推進されるデジタルマーケティングにMRの方は順応するしかありませんが、内心では完全に納得は出来ていないのではないかと思います。