AIモデルの中でも、ランダムフォレストは高い予測性能で知られています。

多数の決定木が独立して判断し、その結果を多数決で統合することで、高い精度と安定性を実現しています。

では、AIは、なぜその結論に至ったのでしょうか。

もちろん、「特徴量重要度」を見ることはできます。

「年齢が重要です。」
「血圧が重要です。」
「HbA1cが重要です。」

しかし、それだけでは十分ではありません。

本当に知りたいのは、

どのような思考の流れで、その結論に到達したのか。

ではないでしょうか。

例えば、100本の決定木があったとします。

ある木では、

年齢 → 血圧 → 腎機能 → 高リスク

別の木では、

年齢 → 腎機能 → 高リスク

さらに別の木では、

BMI → 血圧 → 高リスク

というように、それぞれ異なる判断経路をたどります。

通常のランダムフォレストでは、それらは単に「100本の木」として扱われます。

しかし、もしこれらを比較し、

  • どの判断構造が繰り返し現れるのか
  • どの変数の組み合わせが安定して現れるのか
  • どのような構造差が存在するのか

を抽出できたらどうでしょう。

AIは単なるブラックボックスではなく、

「このような判断構造だから、この結論になった」

と説明できるようになります。

この発想はAIの説明可能性(Explainability)の次の段階だと考えています。

重要なのは、「年齢が重要」ということではありません。

重要なのは、

「年齢を起点として、どの情報を経由し、どのような意思決定構造で結論に至ったのか」

を理解することです。

さらに興味深いのは、この考え方を「人」にも応用できることです。

例えば、

  • 研究者
  • 臨床医
  • 経営者

が同じデータを見ても、結論が異なることがあります。

違うのは知識量だけではありません。

意思決定構造そのものが異なるのです。

もしAIが、その構造を比較・可視化できるようになれば、

「研究者だからこう考える」

ではなく、

「この意思決定構造だから、この判断になる」

と説明できるようになります。

DSA+DAGは、AIの未来は、予測精度だけを競う時代から、

意思決定構造を比較・説明・監査できる時代へ向かうと考えています。

そして、そのとき初めて、私たちはAIを「答えを出す機械」としてではなく、「判断を理解し、共有できるパートナー」として活用できるようになるのでしょう。