患者の行動変容を促すにはブランディングが必要です。

ブランディングには自院だけの「強み領域」を明確にする必要があります。

自身が考えることが必ずしも「強み」とは限りません。

「強み」は患者と競合、そして自院の相対的な関係によって定義されます。

3C分析を通じて自院だけの「強み」を明確にしておきましょう。

市場に新規参入し、利益を上げるために必要な条件は十分な市場規模と成長性、そして競合に対する優位性です。

それを検証するためには立地および商圏分析が必要です。

良い場所を確保することが理想ですが多くの場合では既に既存の競合に取られています。

しかし立地は変えられなくとも商圏は変えることができる可能性があります。

データ分析を通じてブルーオーシャンを見つけることができるかもしれませんが、少子高齢化による人口減少が進む現代では難しいでしょう。

特に現在の医療圏では十分な市場規模はない場合には既に競合が存在する医療圏まで自院のエリアを拡大することになります。

競合に対する優位性が必要です。

戦略を立てる上で最も重要なことは「目的」を明確にすることです。

「目的」がなければそれを実現するための指針も手段も決めることが出来ません。

「目的」はいわばビジネスにおけるビジョンです。

もしかしたら人生におけるミッションかもしれません。

さらに「目的」は時と状況に応じて容易く変化するものではありません。

普遍的で持続可能な「目的」を立てることがが重要です。

営業管理職を対象とした社内研修のご用命はございませんか?

「なぜ競争市場では市場細分化が重要なのか?」
―その理由と競争地位に立つ方法―

マトリクス分析はシェア値と競合製品とのシェア値の差を用いて行います。
そのため、市場全体からは見えなかった市場・顧客の競争環境を可視化することができます。PADDAYを用いれば顧客内シェア(顧客が認識している処方量)に限りなく近い分析が可能です。

お気軽にお問い合わせください。

“Market segmentation is important in a competitive market.”
―How to stand in a competitive position―

Matrix analysis is performed using the difference between the share value and the share value of competing products.
Therefore, it is possible to visualize the competitive environment in the market/customers that was not visible from the overall market.
Using PADDAY, it is possible to analyze as close as possible to the intra-customer share (prescription amount recognized by the customer).

市場規模の大きな顧客を優先するパレートの法則によるターゲティングやアロケーションは競合の存在が加味されていません。

売上が高い顧客では自社製品の売上が必ずしも高いはずはなく、当然のことながら自社が強いこともあれば競合が優位なこともあるはずです。

つまり市場規模と自社の売上には相関関係は成立しません。

製薬業界には受発注データという3Cの情報を含む完全情報です。

受発注データを用いれば「戦略」が見えてきます。

国内医薬品市場の推移を参照するとダウントレンドが読み取れます。

すなわち市場ライフサイクルでは成長期を過ぎ成熟期から衰退期へと移行していると思われます。

成熟期から衰退期での競争環境はレース型競争市場からゲーム型競争市場へと変遷し、競争環境は顧客を奪い合うゼロサムゲームです。

このフェーズでは3Cの中でも競合に対応する戦略が欠かせません。

一般的に市場の競争環境は分散型から一強型へと推移するといわれています。

競合に対する戦略なくしては気が付いた時には市場競争から脱落している可能性もあり得ます。

市場細分化とは全体市場を属性ごとに分類し、自社が参入するターゲットを絞込んだうえで、3Cから自社の強み領域を明確にすることです。

3Cから強み領域を明確化することで「必ず勝つ、絶対に負けない」フィールドに参入することが出来ます。

ビジネスフレームワークにおけるSTP分析です。

このセグメント設定、ターゲット設定、ポジション設定は「主戦場」「主敵」「布陣」を決定する戦略と言い換えることが出来るでしょう。

マーケティングを行う主な目的は差別化により競合に優位性を獲得することです。

しかし様々な保護や規制を受ける医薬品ビジネスの場合は差別化を機能させることは非常に困難です。

そのためマーケティングの上位概念である「戦略」存在が重要な意味を持ちます。

なぜ競争市場では市場細分化が重要なのでしょうか?

人口減少による市場の偏在や社会保障費抑制による収益性の悪化、不確実性が高まり未来の予測が困難となり、また市場の縮小により競争環境は激化しています。

さらに人員削減による戦力量の低下など、従来型の全体市場に対する本社からのワンオペレーションではエリア特性に沿った戦略が立てられず、また目まぐるしい変化に対応することが困難となりました。

国民医療費は増大を続けていますが、その伸びは鈍感しており、前年の成長を継続するためには縮小市場における競争に勝ち競合からシェアを奪う必要があります。

これまで戦略の策定は将来を予測することでプランニングする手法が取られていましたが予測不能な将来のためこれまでの手法が通用しません。

常に変化する市場環境に柔軟で俊敏に対応するためには常に市場の動向を把握し分析する必要があります。

また競争環境の多様化に対応するには市場細分化が重要となるのです。

少子高齢化社会によって、さまざまな差別化戦略や経営効率化の対策をひねり出さなければ、企業の生き残りが難しくなっています。

とはいえ、過去に例のない、誰も思いつかなかったようなアイデアを生み出したり、それらを全社戦略として導入を決定することは容易ではありません。

そのような状況下では模倣する者が多く出現します。

模倣とはいわゆる「ものまね」です。

模倣は、他社の動向からアイデアを拝借するので、発想力が不要で誰にでもできます。

模倣のメリットは、何と言っても「ローリスク」という点です。

前例があるので見通しがつき、成功事例をまねすれば、それなりの成果を上げやすいのです。

そのため導入障壁が低くなり、より一層促進されることになります。

一方でローリスクの弱点は「ローリターン」ということです。

既に市場内で先行している前例を超えることは至難の業です。

市場が拡大するレース型競争市場ではローリスク・ローリターンでの成功が可能ですが、市場が成熟期から衰退期へ移行し始めると途端に立脚点を失い、厳しい市場競争の中では存続が難しくなります。

とはいえハイリスク・ハイリターンを選択するためにはある一定以上の自信/確信がなければなりません。

不確実性の中で自信/確信を得られることは限りなくゼロに近く、過去の経験や感覚に頼った選択は無謀な試みです。

弊社が提唱するマトリクス分析は、特定の市場に集中化戦略を行い、経営資源を集中投下することで市場内強者となり、ドミナント的に着実にシェアを積み重ねることで確実に勝ちあがることが出来るため、成熟期から衰退期におけるローリスク・ハイターンな戦略と言えます。

ローリスクでハイリターンを得られることは通常は考えにくいことですが、ではハイリスク・ハイリターンを選択する条件とはどのようなものでしょうか。

それは自信/確信に基づいた意思決定です。

自分自身の思考や知覚などを認知し主観的に評価する能力を「メタ認知」といいます。

急速にデジタルトランスフォーメーションの進む現代社会において人工知能/機械学習アルゴリズムの構築を進めるためにヒトのメタ認知と内省の脳神経メカニズムの解明が期待されており、このような内省におけるメタ認知の統合的なプロセスは近年非常に注目されています。

メタ認知の中でも、特に自信に基づいた内省的判断はヒトの理性や想像力の基本的な能力といわれています。

例えば不確かな情報から何かを判断するには、過去の記憶の情報とそれぞれの確信度を適切に評価し組み合わせることで意思決定をする必要があります。

サルを用いた実験では、過去の経験に基づき、結果への自信・確信度が高い場合にハイリスク・ハイリターンを多く選ぶことが確かめられています。

昨今、多くの製薬企業が推進するカスタマーセントリックマーケティングは顧客の細かなニーズに対応し、売上高を維持/最大化する取り組みです。

しかしその反面、マーケティングコストは増加することになり、ハイリスク・ハイリターンな戦略と言えます。

さらに差別化を狙ったこれらの戦略は、既に多くの競合他社が模倣をしていることから同一化が進み、既に競争優位性を失っているといえるでしょう。

同一化で得をするのは市場内強者だけです。