医薬品は高度な情報を伴う製品です。

そのため顧客が知り得ない多くの情報を製薬企業は所有しています。

昨今では顧客との面会機会が減少し、MRによる人的販売が困難となりました。

そのため多くの製薬企業が情報チャネルをMRからデジタルへと転換しています。

デジタルチャネルを用いれば非常に多くの情報を顧客に提供することが可能になる一方で、顧客は競合製品の情報も容易く得られるために、比較した上で製品を選択することが出来るようになります。

そのため、MRが訪問し情報提供を行おうと思っても既に顧客にとって必要となる情報は獲得済となり、MRによる顧客攻略が無効化されてしまう、すなわち完全競争市場が成立してしまうことになります。

消費材マーケットでは、口コミや価格の比較サイトが増えてきています。

多くの顧客がこれらのサイトを利用していることでしょう。

顧客が購入を検討している商品を選択する際に、口コミの評価が低い製品や、価格が高いショップから買うことは極めて特殊なケースだと思います。

デジタルチャネルによる情報提供の推進が自らの優位性を放棄し完全競争市場を作り上げているかもしれません。