同一市場に存在する参入者の数から競争環境の厳しさを判断することは出来るでしょうか?

例えば競合企業の数が多ければ競争環境は厳しく、少なければ厳しくないと言ってよいかということです。

競合の数が少なければ競争環境は厳しくないように思えますが実はそう単純ではありません。

市場の規模と成長性、競争優位性の3つの視点から判断する必要があります。

十分に自社の取り分が確保出来るような大きな市場や、参入者の皆が共に売上を拡大することが出来る市場が拡大している成長期であれば、競合の数は多くても競争環境は厳しくはありません。

では自社以外の参入者が1社のみの2者間競争の場合はどうでしょうか?

勝つべき相手は目先のただ一人に打ち勝てば良いだけです。

市場規模が小さければ共存ではなく、競合を駆逐し全体市場を占拠しなければなりません。

市場規模が縮小していればゼロサムゲームとなり競争環境はより厳しくなります。

しかし競争環境が厳しくとも競合に対して圧倒的な優位性があれば勝つことは難しくない場合もあります。

2者間競争の場合、シェア差が1:3であればその市場内の競争は既に勝負ありの安定市場となります。

競争環境を正しく理解することは、「必ず勝つ、絶対に負けない」戦略を立てる上で大切なことです。