働き方改革について語られるときに必ずといってよいほど「業務効率化」と「生産性向上」の2つのキーワードが登場します。

業務効率化とは、業務の「ムリ」、「無駄」、「ムラ」を削減し、合理化することによって生産性向上を実現するための一つの手段です。

つまり業務効率化が達成出来れば自ずと生産性の向上につながると言えます。

MRの減少が進む製薬企業では、限られた人材でより多くのアウトプットを生むことは、企業の将来を左右する重要な課題です。

過去にはSOVを追求した「量」に主眼を置いた営業活動から、現代ではデジタル技術を用いることで「質」に主眼を置いた戦略プランへとシフトしています。

ではビジネスにおける「量」と「質」とはどのような意味を持つのでしょうか。

成果は「量」×「質」の掛け算で決まると言われています。

「量」とは純粋に経営資源を多く投入すること、「質」とは最適な方法で効率的にやることと定義した場合、最適な方法で量を多くやれば成果は出るということになります。

「量」と「質」はどちらを優先すべきか、議論されることが少なくありません。

「ヘーゲルの量質転化の法則」はドイツの哲学者であるヘーゲルが説いた弁証法の基本三原則の1つで、量から質への転化、またはその逆への転化の法則を指したものです。

「量」を積み重ねることで、「質」的な変化を起こす、すなわち「量」をこなせばこなすほど、「質」の向上速度も早くなります。

言い換えれば、「量」をやらないと「質」は高まらない、だからこそ,早めに「量」をやったほうが良いわけです。

ではやみくもに「量」をこなせばよいのかといえば、時間は24時間とすべての人に有限であり、また経営資源にも限界があります。

そのため「量」と「質」の間には、「量」の最大化と最適化のプロセスが重要になります。

では「量」の最大化と最適化はどのように決定すればよいでしょうか。

それは市場/顧客、競合との状況により相対的に決まります。

適正な「量」に絶対値はありません。

自社は外部環境の影響を受け、競争市場は常に変化しています。

競争地位と競争優位性によって相対的に状況を判断しなければ、適正な「量」を決めることができません。