医薬品マーケティングにおける製品戦略プランニングでは、様々な法律/規制などの影響を受けます。

自社の製品は、厚生労働省が認めた適応症にのみ使用が認められ、その使用には医師による処方箋を必要とし、学会治療指針や各種ガイドライン、薬価制度等などにより同一化が余儀なくされます。

すなわち医薬品マーケティングは限定市場での激しい競争と、極めて限局的な戦略プランとなるレッドオーシャンマーケティングです。

STP分析においても、適応疾患、処方箋、治療指針や薬価制度によって、セグメンテーションとターゲティング、そしてポジショニングはほぼ決められていると言っても良いでしょう。

では打ち手としてそのままのSTPで十分なのでしょうか?もちろん不十分です。

そのSTPには外部環境要因として市場/顧客の視点は含まれていますが、競合の存在の視点が欠けています。

競争市場には競合が存在し、競争に勝たなければなりません。

では競合の存在はどのように捉えれば良いのでしょうか?

それは競合の存在は競合そのものではなく市場/顧客を見ることです。

対象の顧客(患者)は今現在どこにいるのか?

まず市場を見て、その市場内で顧客を取り合う可能性があれば全て競合と言えます。

その上で自社と競合との競争地位と競争優位性から戦略プラン上の競合を特定します。