少子高齢化による人口減少が進むことにより国内市場の縮小が生じます。
需要面からみた場合、少子高齢化とそれに伴う人口減少は、多くの分野で需要の縮小要因となる一方で、医療・介護サービスなど一部の分野で需要を拡大させることになります。
日本における医薬品需要量は1991年を境にその成長率が低下し、かつての感染症から生活習慣病や老化に伴う疾患中心へと疾病構造が転換しています。
実際、医科診療費の3分の1以上が生活習慣病関連となっています。
今後はオンコロジー領域やジェネリック医薬品のシェアが拡大していくことが予想されています。
人口減少による市場の縮小、すなわち需要の減少に対して製薬企業はどのような転換を行っているでしょうか?
国内の大手製薬会社は、今後の事業計画の中でもDXが大きな柱の一つになることを発表しており、デジタル化はますます医療業界のスタンダードになっていくでしょう。
これらの状況を市場のライフサイクルのフェーズに照らし合わせてみると、導入期には多くの製薬企業が参入することで顧客にとっての選択の幅が広がり、成長期にはより良い製品が登場します。
製品そのものへのメディカルニーズが満たされ市場の成長が鈍化してくると、新たな市場開拓のために潜在的な顧客ニーズの掘り起こしが始まります。
アンメットニーズが枯渇すると製品そのものではなく付帯するサービスの充足に主眼が置かれるようになってきますが、市場のライフサイクルは既に衰退期に入っています。
これら顧客を中心とした戦略は重要ですが競争市場である以上、競合の存在を忘れるわけにはいきません。
「競争パターンの4類型」では、導入期には多くの競合が参入しますが市場ライフサイクルのフェーズが進むにつれて競争に破れ脱落していきます。
競争市場には必ず競合が存在します。
勝つための戦略プランが必要です。