プライマリー領域がオワコンだと言われて久しいですが、その様な中でフォシーガが新規適応を拡大しました。

これはレッドオーシャンである医薬品ビジネスの中でブルーオーシャンを見つける戦略です。

少し古いデータですが顧客の治療と薬剤に対する満足度において糖尿病領域は既に満たされています。

しかし本来の糖尿病治療の目的である合併症の治療においては未だ満足を得られていません。

すなわちアンメットメディカルニーズが存在しています。

極めて限局的な医薬品マーケティングの中で適応拡大は市場の拡大に直結します。

適応拡大による市場開拓戦略はオンコロジー領域で良く見られる戦略ですね。

弱者の戦略の基本は市場細分化によって競争優位性を獲得する戦い方です。

しかし状況によっては個別の顧客を攻略するのではなくエリア戦略を行うこともあります。

例えば既存薬が存在する市場に新規で参入する際に、既存薬が既に圧倒的に市場を占有している場合などです。

エリア内に基幹病院があって、そこでの採用が近隣顧客での採用に影響を及ぼすことはないでしょうか?

その様な場合には基幹病院の攻略無くしてその他の顧客での採用は困難と考えがちです。

その結果、基幹病院の攻略に全経営資源を投入することになります。

それで結果を生み出せる場合には良いのですが、既に既存薬が市場を占拠していて顧客ニーズも満たされているために自社製品の入り込む余地がないこともあります。

その様な状況でも本命本丸を攻略しようと全力で取り組み続けますが、結果が得られなければやがて経営資源も少なくなり、MRのモチベーションも下がることになります。

その様場合には、個別顧客内のシェア向上ではなく、エリア全体でのシェアを高める戦略に切り替えます。

近隣顧客が基幹病院の状況を気にするように、基幹病院も同様に近隣顧客の影響を受けるはずです。

基幹病院の顧客も自施設に訪れる患者の多くに自社製品が処方されていることを認識するようになれば検討する余地も生まれます。

つまりエリア内で影響を与えるくらいまでシェアを高めることが基幹病院の攻略につながるということです。

これは「競争目標」と「攻撃目標」の考え方にも通じますね。

医薬品マーケットは世界的な景気の後退と人口の減少により市場規模が縮小するレッド・オーシャン市場です。


レッド・オーシャン市場では、ある企業が利益を上げれば他の企業の利益が奪われるゼロサムゲームとなります。


同一市場の競合からシェアを奪い「競争優性を築くための戦略」が必要です。


では競争優位性を測るものは何でしょうか?それは市場シェアです。


製品がコモディティ化し既に市場は成熟することで市場規模が縮小している場合には消耗戦になりやすいため効率よく経営資源を投下し市場シェアを確保することが重要です。


ランチェスター戦略はシェア理論として知られており、数字を用いた唯一のマーケティング理論だと言われています。


多くのビジネスフレームワークはブルー・オーシャンを探索するためレッド・オーシャン戦略には必ずしも適していません。


競争地位と競争優位性を数値化することで競合との相対的位置を把握し、市場規模による優先順位により経営資源の投下量を決定します。


競争市場には必ず競合が存在します、勝つための理論とプロセスが必要です。

世界的な景気の後退と人口の減少により医薬品マーケットは縮小しています。

すなわち医薬品マーケットはレッド・オーシャン市場です。

レッド・オーシャンとは競争市場を意味します。

レッド・オーシャン市場に必要な戦略とは?

競争市場で生き残るため競合からシェアを奪い「競争優性を築くための戦略」です。

競争優位性を測るものは何でしょうか?

それは市場シェアです。

シェアを用いたマーケティング理論で知られているのは、シェア理論を基盤とするランチェスター戦略です。

ランチェスター戦略は「数字を用いた唯一のマーケティング理論」と言われています。

競争地位と競争優位性を数値化することで競合との相対的位置を把握し、市場規模による優先順位により経営資源の投下量を決定します。

主要製品の競争が激しくなればなるほど、次期主力製品育成へリソースが割けなくなるというジレンマがおこります。

どれだけ主要製品の売上が縮小傾向だとしても、社内のポートフォリオ上、そこでの利益が大きな割合を占める場合には会社全体の要となる製品に経営資源をより多く投入したくなります。

しかしこれはレッド・オーシャンでの競争をより激化してしまう要因につながります。

結果的に新しい製品の市場育成に経営資源を投入できなくなります。

既存製品での安定的な収益源をもたないベンチャー企業ではそこが強みとなり新規市場への投資のインセンティブが働くことになりますが、多くの大企業は逆のバイアスがかかってしまいます。

レッド・オーシャンでは、コモディティ化が進みやすく、市場が縮小している場合には一握りの勝者とその他大勢の敗者が生まれることになります。

市場における競合状況によって、「ブルー・オーシャン」と「レッド・オーシャン」に分類されることがあります。

レッド・オーシャンとは需要はあるが競合が多すぎて、参入が難しい市場を指します。


「レッド・オーシャン」を言い換えれば「競争市場」と言えるでしょう。

レッド・オーシャンのメリットは需要が多い既存市場が存在するということです。


参入に成功すれば、少ないシェアであっても一定の売上を見込めます。

デメリットは数多くの競合が参入するため、競争が激しくなにか抜き出たものがないと利益を取ることが難しくなります。

特に日本のような成熟市場では人口減少も相まって市場での競争はますます激化しています。


縮小している市場でのシェア争いはより厳しく利益率低下を招き、レッド・オーシャン市場はますます深刻な状態となっています。

レッド・オーシャンでは、その市場環境に応じたレッド・オーシャン戦略があります。


厳しい市場の中で生き残るために、競合から利益を奪い取り、生き抜いていくための戦略です。


レッド・オーシャン戦略では、ある企業が利益を上げるということは、他社の企業の利益が奪われるということを意味し、市場のゼロサムゲームとなります。


既存の市場でいかにシェアを増大していくのかが命題です。

「主なビジネスフレームワークの目的」を調べてみました。

フレームワークの定義は「ツールやテンプレートではなく、売り方や考え方、分析の仕方、意思決定の仕方などのプロセスを標準化する事全般」としています。

ネット上の情報を中心に検索しており、原著を読んだわけではありませんのでご注意ください。

何を「目的」として使用するフレームワークなのかを調べたのですが、実際には「目的」について説明していない事が殆どで結構苦労しました。

ビジネスフレームワークは答えを教えてくれるものではありません。

また必ずしも取り入れる必要があるわけでもありません。

目的に応じて必要があれば活用すれば良いと思います。

戦略立案、マーケティングプランニンを行う上で重要なことは目的を明確にすることです。

そもそものデジタル化の目的は何でしょうか?

「対面での営業機会が失われる」ことへの補填としてMRに代わる情報提供チャネルでしょうか?

デジタル選好度が高く、かつ製品に興味を持っている顧客にとっては情報にアクセスしくなり、購買サポートとしての機能は優れています。

一方で売上向上を目的とした場合には期待した処方インパクトが得られていない現状も見えて来ました。

あくまでも顧客にリーチするためのチャネルの一つとして捉える必要がありそうです。

MRから完全に置き換わることは難しいでしょうか。

医薬品マーケティングにおけるデジタル化は以前より言われていたことですが、新型コロナウイルスの影響で加速し、一気に浸透する兆しを見せています。

医療機関への訪問が出来ないなど、MRによる情報提供はメールやリモートディテーリングといったオンラインに置き換わっています。

今後はオンラインが主体となり、オフラインでのフェース・トゥ・フェイスは補助的な位置づけとなるかもしれません。

一方でデジタルによるプロモーションは当初に期待したほどの処方インパクトが得られていない現状から、MRとのハイブリッド型が模索されています。

ここには売上向上に必要となる大きなヒントが隠されているようです。

つまりMRには有ってデジタルには無いもの、それが売上を上げるために不可欠な要因と言えるかもしれません。

時代と共にコミュニケーションの形は変化しています。

医薬品業界に限らず、顧客の購買行動もAmazonなどに代表的されるように人を介さない方を好む傾向はコロナ以前から現れていました。

多くの顧客にとって日中の忙しい業務時間中にMRに押しかけられることは歓迎することではありません。

必要な時に必要な情報にアクセスできる方が好まれることは明白です。

その顧客のニーズに応えるべく、各社デジタル化を進めて来たわけです。

グラクソ・スミスクライン(GSK)は2015年に撤廃した、「数字」ではなく「行動」でのMRの評価を、2020年に再び「売り上げ」評価を復活させました。

日本では、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」で、MRの評価は売上に偏らない体系を求められ各社動いていますが、GSKのこの対応は現行制度と逆行する形となりました。

同社は社会への貢献と同時に新たな事業モデルを確立し、成功させていることが評価され、雑誌『フォーチュン』にて「世界を変える企業(Change the World)」(2016.9)ランキングの第1位に輝いていただけに残念です。

社長のフィリップ・フォシェ氏は「売上目標をなくしたことは、本来のMRの役割を考えれば自然な進化です。MRの役割とは製品に関する科学に基づいた情報を医師に提供すること。売り上げの数字より、正しい情報が伝えられているかどうかが重要です」と述べていました。

会社が売り上げよりも大切にするものを示したと言えるでしょう。

製薬企業が真の社会貢献をしようとして叶わなかったのは皮肉ですね。

製薬企業は社会貢献を担いながらやはり利益を追求しなければ持続的な発展は出来ません。

これは実は誰もが気がついていた、一つの回答だと思います。

やはりMRは営業マンであるということです。

ということは「販売」活動主体ではなく「営業」活動を行わなければ売上を向上することは出来ません。

つまり「販売」的要素の強いデジタルプロモーションは単独では成立せず、MRの存在は不可欠ということです。

医薬品ビジネスは「マスマーケティング」ではなく優先顧客の攻略を主とする「ターゲティングマーケティング」を意識すべきです。


そういった視点でマーケティング戦略プランニングを見れば、DXプロバイダーが一人勝ちをし、製薬企業がみな減収減益である理由に納得出来るでしょう。