「55年体制」についてご存知でしょうか?

言葉を聞いたことがあっても詳しい内容までは知らない人も多いかもしれません。

1955年(昭和30年)の総選挙をきっかけに成立したことから、55年体制と呼ばれています。

55年体制とは約3分の2の議席数を占め政権を握る自由民主党と,3分の1の議席数を保持する野党の日本社会党の2大政党が議会で対立する政治体制のことです。

つまり、国会では議席の約2/3を自由民主党が、残りを日本社会党が保持する、2対1の構造です。

55年体制は1993年の総選挙で自由民主党が衆議院議席数の過半数を割るまで、約40年近く続きました。

自由民主党は圧倒的に優位な立場でしたが、1/3の議席を日本社会党が確保するため、憲法改正に必要な2/3以上の議席を獲得できません。

とはいえ、日本社会党も与党になれるほどの議席は得られず、2対1のまま推移していきます。

このため55年体制は「一と二分の一政党制」とも呼ばれています。

医薬品市場においても競合製品とのシェア値が100:0になることはまれです。

2者間競争では75:25前後(3:1)で安定することが多く、多社間競争では√3:1(2:1)となります。

医薬品ではまず安定供給の問題があり、他にも患者の忍容性から1剤だけでは不安を抱えることになるからです。

これは単に心理的なものではなく、数学的にも証明されています。

射程距離理論のクープマン目標値では、2社のシェア値が上限目標の独占的市場シェア(73.9%)と下限目標の市場影響シェア(26.1%)の場合、2社の距離差は「逆転可能な差の上限」とされ、「3:1(サンイチ)の法則」とも呼ばれます。

つまりシェアで3倍以上の差がついてしまうと、勝ち目がなくなるということです。

さて今回の総選挙の結果はどうなるでしょうか?