発売後の口座開設に失敗し、その後も市場拡大が上手くいかないケースを取り上げてみましょう。

発売時の担当者は既に不在で後任の担当者に交代したような場合には、責任は無いものの負の遺産を引き継ぐことで成果につなげることが難しく、モチベーションが維持できずに負のスパイラルに陥ることがあります。

そのような場合には、まず成功体験を得ることが大切です。

当該製品は全体市場における1位のシェアを持つ強者ですが、担当者の対策前後のマトリクス分析ではaおよびb行のフレームが空欄となっており、全ての顧客において競合製品が圧倒的な有利な市場環境です。

これでは本社から出されるビジネスプランを愚直に実行したとしても上手く行きません。

現状で最も注力すべきフレームはAcのフレームであり、4顧客が存在します。

最短で結果を出すために3か月間リソースを集中する顧客として1つだけ選択することにします。

では4顧客のうち、最も短期で成果を出すことが出来る顧客は誰でしょうか?

自社製品のシェアが最も高いのは顧客Dですが、1位の競合製品とのシェア差が大きすぎます。

顧客Cは1位の競合製品のシェアは高くなく、自社および他の競合製品間のシェアも近接しています。

顧客Cをターゲットに3か月間、集中的に活動を行った結果、自社製品のシェアは13.4%から16.7%までアップし、1位となったことでAcからAbへとランクアップに成功することが出来ました。

さらに4%シェアを拡大することが出来ればAaへのランクアップも実現可能です。

Aaが出来ることで売上実績は安定するでしょう。

成果が出ない状況で漫然と活動を続けるのではなく、実現可能な目標を立てることでモチベーションが高まり、成果が出たことで次の目標に進むことが出来るでしょう。