前のブログ記事でヒエラルキーの話題をしたので、番外編として教授選についてお話してみようと思います。
私が現役MR時代、よく教授選を占っていました。
なぜなら教授が変わることで、それまで築いた関係性がリセットされる危険性があるからです。
新しく赴任する教授が前施設で自社との関係性が無い、あるいは悪く、競合他社と関係性が深ければ最悪の事態を招きます。
教授選がいつ頃になるかは、詳細な月日までは分からなくとも、おおよそは退官する年齢から簡単に分かります。
学内から選出される場合はよいのですが、学外となると広い情報網が必要です。
教授選考の大きな要因は、人柄・人望、役職・政治力などが複雑に絡んできますが、最も大きな要因は業績です。
人が良いだけでは教授にはなれません。
(本院・分院、公立・私立、研究機関ありなしによって異なりますが)
外科系の場合はオペ数などが業績にあたります。
それ以外の定量情報として、インパクトファクターと科研費があります。
Nature、Cell、Sienceなど、インパクトファクターが40~50点クラスの論文を複数もつ候補者もいます。
東大の有名な教授などではインパクトファクター4,000点オーバーという強者が存在します。
科研費は幾ら持参金を持っているかということです。
研究機関では多くの医局員を抱えており、研究成果を出さなければなりません。
業績のスコア化については、別の機会にご紹介しようと思います。
ただ、これもあくまでも勝ち馬の予想であり、絶対という訳にはいきません。
教授選は伏魔殿です。
全候補者の中で圧倒的な業績で大本命の鉄板と思われていた先生が、天狗発言で失脚したケースもあります。
また、教授になるタイミングでは既に競合他社の唾が付いていると思って良いでしょう。
早くから将来の教授を見つけるためにも業績は指標になります。
論文では first author以外にも多くのDrの名前が連なっています。
ある時から、その中に名前が頻出するようになったら、現教授の秘蔵っ子の可能性があるかもしれません。