新規参入の翌年、長期処方解禁を迎えいよいよこれから一気に売上を伸ばしたい。

では、これまでの売上実績を基に来期のフォーキャストを算出する際に、どのようなことに注意する必要があるでしょうか?

今までの延長線上にフォーキャストを引いてよいものでしょうか?

順調に売上実績が増加していたのに、突如として伸びが鈍化し頭打ちになる事があります。

これをキャズムと呼びます。

キャズムは、イノベーター&アーリーアダプターと、アーリーマジョリティの間にあると言われており、このキャズムを超えられるかどうかが、その製品が広く普及するための障壁となります。

この溝を飛び越えられずにロンチに失敗した製品は数多く存在します。

イノベーターとアーリーアダプターを合わせた、約16%のマーケットを初期市場と呼び、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの3つを合わせた約84%のマーケットをメインストリームと呼びます。

初期市場はいわゆる購入意志のある顧客であり、メインストリームは購入意志が不明確な顧客と言えます。

当然のことですが購入意志のある顧客を獲得することは、無い顧客に比べて容易であることが想像されます。

キャズムを超え、市場を拡大するためには購入意志の無い顧客をいかにして振り向かせるかが勝負の鍵となります。

初年度にじっくり市場を作り攻略してきたのか、あるいは実績を作ることを優先し売りやすい顧客を優先したのか、キャズムの幅と深さはこれまでの努力を写す鏡です。