コトラーの提唱する「競争地位戦略」と同様に、SMARTでも競争地位をとても重要視します。

競争市場には必ず競合が存在するため、自社の立ち位置=競争地位を知り、競争地位に応じた戦略を立てる事は勝つためには絶対条件です。

ではこの2つの戦略には違いがあるのでしょうか?

コトラーの競争地位戦略では、経営資源の量と市場内でのシェアにより競争地位が決まります。

【市場リーダー】はシェアが高く経営資源も豊富な企業です。

【チャレンジャー】はリーダーには及ばないものの経営資源が豊富でリーダーに次ぐシェアを持っています。

【ニッチャー】はリーダーやチャレンジャーに劣る企業です。

【フォロワー】は経営資源の量・質とも劣る企業を指します。

これらは基本的な部分でランチェスター戦略に共通するものです。

ではランチェスター戦略との違いはどこにあるのでしょうか?

コトラーの競争地位戦略では経営資源の大小により分類されますが、ランチェスター戦略の競争地位戦略は競合に対してどの程度の優越性を持っているかが重要になります。

市場規模ごとにラージABCに分類されますが、ABCのフレームの中では必ずしも経営資源の量的に大きい方が優先とは限りません。

競合に対して「強者」か「弱者」であるかが重要なポイントとなります。

これにより、「必ず勝てる、あるいは絶対に負けない」戦略を立てることが可能になります。

戦いとは相対的なものです。

戦う相手、戦う場所に応じて最適な戦略プランニングを行います。

すなわち絶対的な経営資源の多い少ないが決定要因ではないということです。

経営資源に劣る弱者でも勝つことが出来る、だからこそランチェスター戦略は【弱者の戦略】と言われるのです。

グーを出す相手にはパーを、パーを出す相手にはチョキを、チョキを出す相手にはグーを出す。

相対的に戦略を立てれば弱者でも勝つことが可能です。