グラクソ・スミスクライン(GSK)は2015年に撤廃した、「数字」ではなく「行動」でのMRの評価を、2020年に再び「売り上げ」評価を復活させました。
日本では、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」で、MRの評価は売上に偏らない体系を求められ各社動いていますが、GSKのこの対応は現行制度と逆行する形となりました。
同社は社会への貢献と同時に新たな事業モデルを確立し、成功させていることが評価され、雑誌『フォーチュン』にて「世界を変える企業(Change the World)」(2016.9)ランキングの第1位に輝いていただけに残念です。
社長のフィリップ・フォシェ氏は「売上目標をなくしたことは、本来のMRの役割を考えれば自然な進化です。MRの役割とは製品に関する科学に基づいた情報を医師に提供すること。売り上げの数字より、正しい情報が伝えられているかどうかが重要です」と述べていました。
会社が売り上げよりも大切にするものを示したと言えるでしょう。
製薬企業が真の社会貢献をしようとして叶わなかったのは皮肉ですね。
製薬企業は社会貢献を担いながらやはり利益を追求しなければ持続的な発展は出来ません。
これは実は誰もが気がついていた、一つの回答だと思います。
やはりMRは営業マンであるということです。
ということは「販売」活動主体ではなく「営業」活動を行わなければ売上を向上することは出来ません。
つまり「販売」的要素の強いデジタルプロモーションは単独では成立せず、MRの存在は不可欠ということです。
医薬品ビジネスは「マスマーケティング」ではなく優先顧客の攻略を主とする「ターゲティングマーケティング」を意識すべきです。
そういった視点でマーケティング戦略プランニングを見れば、DXプロバイダーが一人勝ちをし、製薬企業がみな減収減益である理由に納得出来るでしょう。